イヌの首輪型給餌器

研究プロジェクト概要

本プロジェクトは、犬の訓練やしつけにおいて、離れた場所から随時ご褒美として餌を与えることが可能な給餌装置の開発を目的としている。具体的には、球形の固形フードを遠隔操作によって与える方式を構築するものである。

従来の方法としては、環境に設置された据え置き型の給餌器や、ハンドラーが手から直接餌を与える手法が用いられてきた。しかし、これらの方法では、報酬を与えられる範囲が給餌器やハンドラーの近傍に限定されるという空間的制約が存在していた。

この課題を解決するために、本プロジェクトでは、犬の首輪に取り付け可能なリモート操作式給餌装置を提案する。本装置により、犬がハンドラーから離れた場所にいても、即座に報酬として餌を与えることが可能となる。開発した首輪型給餌器は、犬にとって負担の少ない小型かつ適切な形状を有しており、球状の本体内部には最大20個程度の固形フードを収納可能である。スマートフォンのアプリから送信されるコマンドに応じて、1回につき1粒ずつ餌を遠隔地から自動的に給餌することができる。
複数のイヌを用いて給餌の評価を行い、実際にイヌへの給餌が可能であること、ならびにイヌによっては首元に装着された給餌器を気にする個体が存在することを確認した。あわせて、背中に搭載するタイプの給餌器も開発し、異なるイヌに対して連続的な給餌が可能であることを確認した[2]。

関連リンク

発表論文

  1. “小型軽量なイヌ用首輪型給餌器の開発, ”
    福澤快, Tsige Tadesse Alemayoh, 大園卓幹, 小島匠太郎, Ranulfo Bezerra, 永澤美保, 菊水健史, 田所諭, 大野和則,
    ロボティクス・メカトロニクス講演会2025, 1P1-K04, 2025.
  2. “Effectiveness of Canine Training Using Suit-mounted Feeder”
    Shoichi Nezu, Kazunori Ohno, Shotaro Kojima, Ranulfo BEZERRA, Miho Nagasawa, Takefumi Kikusui, Satoshi Tadokoro
    Advanced Robotics, 38(14), (2024), 947–957.
    DOI: https://doi.org/10.1080/01691864.2024.2365301
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